教科書改善の会

改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(代表世話人・屋山太郎)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

マッカーサー証言が掲載:東京都立高校日本史必修教材

edo.jpg
表紙は平成23年度版


 東京都教育委員会では、今年4月から全ての都立高校で使用される独自教科書『江戸から東京へ』(日本史必修科目)の最新版において、「竹島と尖閣諸島は日本固有の領土であるが、現在竹島は韓国が不法占拠し…」と、竹島に関して政府の公式見解に基づき、元の記述を改訂したところ、2月9日、韓国のソウル市などから削除を要求する抗議の書簡が都教委あてに発送された、と報道されました(韓国の聯合ニュース)。

■最新版『江戸から東京へ』の改訂経緯

 この東京都の独自テキスト『江戸から東京へ』については、昨年、当機構の広報誌『教育再生』(平成23年11月号)において、旧版の平成23年度版では、竹島や尖閣諸島に関する記述が見えず、また北方領土の不法占拠についても記載がないことから、当機構では、こうした旧版の問題箇所について指摘し、修正を求めていました。そこで、今年になり都教委が最新版でそれらを訂正したところ、今回、東京都と「姉妹都市」の関係にあるソウル市などが竹島記述に反発したという構図です。

 昨年、書店でも市販された『江戸から東京へ』(旧版)には、その他にも、五箇条の御誓文を「五箇条の誓文」と敬語を略したり、昭和12年の南京事件について「多数を殺害」と記述していたほか、拉致問題があたかも北朝鮮との国交回復の障害であるかのように誤解される書き方もありました。当機構の指摘のほかにも、野田数(かずさ)東京都議会議員が、戦後になって「台湾は中国に返還され」たとする旧版の記述について事実に反していると指摘し、それぞれ最新版の段階で記述が改善されたという経緯があります。

■マッカーサー証言、ハル=ノートのソ連作成説が追加

 また、最新版『江戸から東京へ』には、「特集7 日本はなぜ戦争を始めたのか?」と題する2ページが新たに追加され、「ハル=ノートとマッカーサー証言」のコラム記事が掲載されました。コラムでは、ハル=ノートによって、「日米開戦は不可避な状況となり、…原案を作成した財務省特別補佐官のハリー・ホワイトは、ソ連のスパイの疑いがあるとして…、作成に関してソ連が関わっていたとする意見もある。」
 また、「マッカーサーは、戦後のアメリカ議会において、日本が開戦したことについて『in going to war was largely dictated by security.』と証言しており、この戦争を日本が安全上の必要に迫られて起こしたととらえる意見もある。」というように、日本の戦争を自衛戦争とする説を掲載しています。

mcs3.jpg
大東亜戦争を日本の自衛戦争とする説や、ソ連の謀略と見る説も紹介している最新版『江戸から東京へ』
内容は都教委のホームページへ
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/nihonshi/24textbook.pdf

 これらは、学校用日本史教科書としてきわめて画期的な内容であり、今回の都教委の尽力に対して敬意を表するとともに、「日本人の自覚」を確立する近現代史教科書(都教委)として、さらなる改良や工夫が期待されるところです。

■文科省と都教委の温度差

 なお、マッカーサー証言は、昨年夏に採択が行われた育鵬社の中学校歴史教科書でも、検定前の白表紙本の段階(文科省への申請本)で記載したところ、文科省から検定意見が付けられ、最終的に削除となった経緯があります。

 今回の掲載により、文科省の検定意見と、東京都教育委員会との間では、マッカーサー証言や日米戦争に関する歴史認識について、教科書に掲載すべきかどうかで、大きく見解が分かれたことになります。
 今後、これらが教科書検定や教科書記述にどのような影響を与えるのか、注目されます。

 なお、最新版『江戸から東京へ』に関する国内の報道は、参勤交代の絵図や鉄道写真に誤用があったとして都教委が訂正したことなどが報道されましたが(毎日新聞・東京新聞)、しかし、領土記述については読売新聞が報じたにとどまるようで(1月26日付電子版)、ハル=ノートやマッカーサー証言については、報道されませんでした。
スポンサーサイト

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。