教科書改善の会

改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(代表世話人・屋山太郎)

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8月10日の菅首相談話に関するコメント公表

日本教育再生機構では、韓国併合100年にさいして謝罪を表明した菅首相談話について、コメントを8月12日付で発表しました。                       


                             平成22年8月12日
8月10日の菅首相談話に関するコメント
             一般財団法人日本教育再生機構

 韓国併合100年にさいして謝罪を表明した菅首相談話について、次の5点に絞ってコメントを発表します。

1.特定の歴史認識の押しつけは許されない

 菅談話は、韓国併合に関する菅首相および首相の周辺に存在している特定の歴史認識を日本国政府の公式見解に仕立てて公表したものである。
 そもそも韓国併合100年にさいして首相談話の発表を求めた人々は、日韓併合条約を法的に無効であるとし、朝鮮統治の全体を犯罪行為とみなし、戦後の日韓基本条約において既に解決済みの諸問題をふたたび蒸し返して国家賠償の実現を企図した勢力であった。
 菅談話はこのような特定の政治イデオロギーを掲げる勢力に首相の周辺が後押しされる形で生まれた経緯がある。それをあたかも日本国民共通の歴史認識であり一般常識であるかのようにすり替えて公表したのである。これは政府見解の名の下に特定の歴史認識を国民に押し付けたものであり、日本国内はもとより国際社会に対しても重大な誤解や錯覚を与えるものである。

2.近年の研究動向に反する歴史の否定は許されない

 とくに今回の談話において、「三・一独立運動などの激しい抵抗にも示されたとおり、政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました」とするのは、百年前の韓国併合およびその後の朝鮮統治に関する歴史的な経緯を一方的に否定して断罪するものである。しかし、国際法上、日韓併合条約が合法的であることは近年の国際的な研究においてあらためて再確認されており、また日本の朝鮮統治を一方的に「悪」と描くような旧来の「暗黒史観」は現在では英語圏の研究者を中心にして大幅な見直しを受ける事態になっている(例えば、カーター・J・エッカート〈ハーバード大学コリア・インスティテュート所長〉『日本帝国の申し子―高敞の金一族と韓国資本主義の植民地起源1876-1945』草思社。原著は1994年刊。ジョージ・アキタ〈ハワイ大学名誉教授〉「見直される朝鮮統治の暗黒史観」『諸君!』2006年4月ほか参照)。
 そして何より、韓国併合当時の厳しい国際環境や社会状況を想起し、日本政府および当時の朝鮮の人々を含んだ日本国民の努力と苦闘の歴史に思いをめぐらすならば、慎重かつ実証的な歴史研究の検証を俟つことなく一方的に歴史を断罪するようなことは、たとえ一国の首相であろうとも到底許されるところではない。

3.空洞化した村山談話の拡大適用、際限のない謝罪外交は許されない

 次に、仙谷官房長官は菅談話の閣議決定のさい、1995年に出されたアジア諸国に対する植民地支配に関する村山首相談話を「超えるものではない」と発言している(読売新聞8月11日電子版)。しかし、菅談話は村山談話よりさらに踏み込んで「植民地支配」の内容を上記に見たように特定している。仙谷官房長官の発言は、菅談話が村山談話の踏襲という日本外交の延長線上にあるかのように偽り、談話が与える影響を過小に評価させる錯覚を周囲に与えるものである。
 そのうえ、一昨年に福田康夫総理(当時)と胡錦濤国家主席が発表した日中共同声明では村山談話は引用されておらず、後の政府答弁書においても「植民地支配」などの主要なキーワードについて明確な定義はないと政府見解が出されているように、外交上、村山談話がすでに空洞化していることは明らかである。
 すでに空洞化した村山談話を持ちだして日韓問題どころかアジア全体にまで拡大適用することは許されない。また菅談話の発表に合わせて北朝鮮が過去の謝罪ばかりか賠償までを求めると世界に向けて報道しているように、菅談話とはこうした不当な補償要求を諸外国から招き入れるような、際限のない「謝罪外交」を再開していくことを世界に向けて宣言しているのも同然である。

4.「菅談話体制」による統制は許されない

 さらに、菅談話に反対する意向を示すことは政府の公式見解に背くものであるから、かつて村山談話を批判した田母神航空幕僚長のように公務員の場合ならば厳しい処分を受けてしまう恐れがある。
 このままでは、菅談話という特定の歴史認識に従わないことにより厳重な注意や処分を受ける「菅談話体制」ともいえる統制の体制が作られ、主要な政府関係者のみならず一般行政の官僚から教員の世界にいたるまで「菅談話体制」が幅広く形成される事態になる。
 この「菅談話体制」の成立は、歴史問題に対する個人の学問の自由を制限し、言論の自由を侵害するものである。
 今後、自民党および菅談話に反対する民主党内部あるいはその他の政党のグループは、「菅談話体制」の統制に対して一致して抵抗する意志を示し、これにより次なる政権においては特定の談話や歴史認識に呪縛されない政治的な流れを今から作っておく必要がある。

5.教科書や歴史教育への政治介入は許されない

 とりわけ、菅談話によって今後の教科書検定および教科書の内容、あるいは教科書採択にいたるまで深刻な影響を与えることが危惧される。これまで諸外国からの不当な内政干渉や特定の政治イデオロギー集団からの圧力・妨害の原因となってきた「近隣諸国条項」は、現在の教科書検定制度においてもそのまま存続していることから見ても、菅談話が近隣諸国や特定の政治イデオロギー集団によるさらなる不当な介入を教育界に呼び込むことになるのは明らかである。
 文部科学省は、菅談話を利用した教科書検定や歴史教育への政治介入を許さないためにも、新しい教育基本法および学習指導要領に従った教科書検定および採択制度を維持し、不当な政治介入を許さない意向をあらためて表明し直さなければならない。
 また、現在のように、特定の政権による談話や歴史認識が教科書制度および歴史教育に深刻な影響を与えるような政治状況をすみやかに取り除いていく流れを作る必要がある。
                                   以上
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